更新日 : 2017年6月7日
4月18日に突然イギリスのメイ首相は2017年の6月8日に総選挙を前倒し実施する意向を表明しましたね。この事により、ユーロやポンドに動きがありました。
なぜ今の時期にイギリスのメイ首相は総選挙を前倒しするのでしょうか?それはEU離脱交渉を有利に進めたいからです。
なぜ総選挙の前倒しをするのか?
EU離脱を問う国民投票後のメイ首相
総選挙の前倒しよりも今は政治の安定が必要!!
2017年4月時点のメイ首相
議会の分裂ですでに政治の安定が脅かされているから総選挙の前倒しをしたい!!
どうして今の時期に総選挙の前倒しをするかというと、今現在EU離脱を巡り議会の分裂があり政治の安定が脅かされているため、地盤を固めたいという考えで総選挙の前倒しを発表したと考えられます。
ちなみに2017年9月24日(日)のドイツ連邦議会選挙まではEU離脱についての交渉は進まないと予想されていましたが、5月23日にEU側がイギリスのEU離脱に関する交渉について6月19日(月)の週から再開すると発表をした事もありびっくりしました。
そのためイギリスの6月解散総選挙が1つのターニングポイントとなり、イギリスの通貨であるポンドやEUの共通通貨であるユーロを含めた為替の変動がありそうですね。
そのため、今のうちに議会の分裂をどうにかして政治の安定をしておこうとメイ首相は考えているのでしょう。
メイ首相の総選挙をする狙い
総選挙するメリットとしては『メイ首相のEU離脱に対しての交渉の方針を問う』ので、信任を得る事が出来ます。
そして今、メイ首相が進めるEU離脱の方針に対して野党側が反対している状態ですが、総選挙をする事で国民の信任を得られるので、イギリス国内の結束が強くなります。
つまりEU離脱の交渉を上手く進める事が出来るという事ですね。
6月8日に総選挙をしてもイギリスのEU離脱は変わらない
ちなみにメイ首相は2017年6月8日(木)に総選挙をすると発表しましたが、イギリスがEUを離脱する事には変わりません。
そのため2017年6月8日(木)に開催予定の総選挙は『EU離脱をするために与党と野党とどちらが交渉したら上手くいくのか』を国民に聞き、メイ首相率いる与党としては議席を増やす事が今回の総選挙の目的です。
そのため今回の総選挙での争点はメイ首相の『ハード・ブレグジット』に賛同する国民がどれだけいるか、そして野党の労働党などが掲げている『ソフト・ブレグジット』に賛同する国民がどれだけいるかでしょう。
- ● ハード・ブレグジットとは
- EU=ヨーロッパ連合の単一市場からのアクセスを断念してまでも移民の規制をする事。メイ首相は基本方針としてEUとの離脱交渉をハード・ブレグジットで行う姿勢を見せています。
- ● ソフト・ブレグジットとは
- 単一市場からのアクセスを確保して穏便に離脱する方法。今までのようにEUといい関係を保ちつつ経済的な大打撃を受けないようにEUとの離脱交渉を行います。
そのため今回の総選挙では、EUからの離脱に向けて、EUの単一市場へのアクセスをどう確保するが重要でしょう。
解散総選挙の結果がEU離脱交渉にどんな影響を与えるのか?
まず今の時点で330議席と過半数以上をメイ首相率いる保守党が確保している事や支持率が高い事もあり、今回のイギリスの解散総選挙でメイ首相が惨敗する事は考えられません。
ただ解散総選挙の結果がEU離脱交渉にどんな影響を与えるのか?は『残留派』と『離脱派』の立場でも変わってきます。
メイ首相が圧勝の場合
- ● 残留派
- 保守党内にいる離脱強硬派からの圧力を抑えて、離脱交渉で柔軟な姿勢になり柔軟な姿勢でEU離脱交渉をするのではという期待が膨らむ
- ● 離脱派
- メイ首相が揺るがない気持ちで強気にEU離脱交渉をしてくれると期待が膨らむ。その一方でEU側がイギリス国内世論についてどこまで配慮するかは不透明で、強気な姿勢が逆効果にならないか懸念もある
メイ首相が辛勝の場合
- ● 残留派
- 保守党内の離脱強硬派の勢力が変わらないため、EU離脱交渉に向けて心配。メイ首相としても議席を減らす結果となるので万全な体制でEU離脱交渉が出来ないため期待が出来ない
- ● 離脱派
- 議席を減らす事でいままで野党残留派の議員がメイ首相に対して様々な要求を突きつけてくる事でEU離脱交渉が思い通りにならないのではと懸念、
まぁメイ首相が圧勝しても辛勝してもポンドが動く事は間違いありません。
最新の世論調査では保守党と労働党の差が8.6%
上記の画像は英下院の議席と各党のEU離脱への姿勢です。
総選挙と言えば議席を獲得するためにするものですが、メイ首相率いる野党・保守党がコービン党首が率いる野党・労働党などに負ければ政権が変わるためメイ首相にとってデメリットもあります。
その証拠に、4月19日頃の世論調査では保守党が50%の支持率に対して、労働党は14%とメイ首相率いる保守党が優勢でしたが、6月3日の最新の世論調査ではメイ首相率いる保守党は44.2%、コービン党首率いる労働党は35.6%とわずか8.6%差と2017年6月8日(木)の総選挙はメイ首相にとってデメリットとなる可能性も出てきました。
為替にもメリットが!総選挙の影響でポンド買いが進む
なんと4月18日に突然イギリスのメイ首相が6月8日に総選挙をすると発表した後、ポンド買いが急激に進み発表前ポンド/円(GBP/JPY)では136円台でしたが、翌日の4月19日16時現在には139円台まで上昇しました。
ただ、5月25日におきた自爆テロの影響で一時的にポンド売りが進みました。
まぁそれも一時的なものだったのか27日頃からは少しづつ上昇してきて5月29日頃からは上昇傾向になりました。しかし6月に入ってからはポンド安が進んでます。
その理由としては6月2日(金)に米雇用統計があり、安全通貨である円(JPY)が買われた事や、6月3日(土)におきたロンドン橋の暴走テロの影響でしょう。
そして今回のイギリス解散総選挙やこれからのEU離脱交渉が、イギリスの経済悪化の原因になると懸念されている事もあり、結果がどうであれ、ポンド安状態は継続するでしょう。
ただこのように経済イベントがある時は為替が動きく事には変わりないので、解散総選挙やこれからのEU離脱交渉に向けてイギリスの通貨であるポンドが動くという事です。
プラスして関連であるEUの通貨であるユーロも買われたりする傾向があるので今狙い目と言えるでしょう。
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- この記事を書いた人管理人ただみさ
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